少女と出会ったことがきっかけ
お店をオープンして約1年。
大病を患った少女のお母さんから電話で相談を受けました。
母親
『病気で、今まで食べてた物が食べられない体質になった娘を喜ばせたいんです。
乳製品が食べれなくなってしまい、どのお店も対応してくれないんです。
カルウィルストアさんではそういったスイーツ置いてますか?』
僕
「すみません。うちのスイーツは乳製品を使ってるんです」
母親
『そうですか、わかりました。やはり難しいですよねー』
僕
「ちょっと待ってください。美味しいものが出来るかわかりませんが、やってみます」
母親のなんとか娘を喜ばせたいという思いがひしひしと伝わり、僕は何も考えず二つ返事で引き受けました。
引き受けたはいいものの、当時の僕にとって乳製品を入れないスイーツはめちゃくちゃ難しく。
後悔という二文字の重圧がじわりじわりと僕の自由を奪っていきました。
考えが甘すぎた!何度やっても、試作しても全然美味しくできない。
僕
「もしもしカルウィルストアです」
母親
『スイーツ出来ましたか?娘も楽しみにしてます』
僕
「そうですか。今試作中です………。
まだ時間かかりそうです。
すみませんが。もう少しお待ちください」
母親
『ありがとうございます。楽しみにしてます』
『すみません、出来ません』と伝えるつもりが、母親の楽しみにしてるという言葉を聞いた瞬間、出来ませんの選択肢は白く塗りつぶされた
大病を患い今まで食べてた物が食べられない
アレルギー体質になってしまった少女との出会い。
小さいのに、大きな手術を何度も経験し、本気で生きている。この少女の存在は、ただ生きてた僕にいろんなことを教えてくれました。
少女の笑顔は僕の原動力となり、希望に変わっていきました。
本気で生きてる人のために、感動するスイーツを作ろう。
僕
『もしもしカルウィルストアです。
大変お待たせしてすみません。ようやく食べていただけるようなスイーツが完成したので、ぜひ娘さんを連れて食べに来ていただけませんか』
.
母親
『はい!ありがとうございます。娘を連れて行きます』
それから約1週間後
僕はアヤちゃんに早速、乳製品を使わずに作ったスイーツを食べてもらおうと、アヤちゃんにスイーツをもって行きました。
さつまいもをベースに豆乳や甘酒を加えたプリンです。
スプーンですくいゆっくりと口元へもっていくアヤちゃん。
僕
『(お口に合いますように!!!)』
その事だけを思いながらアヤちゃんの反応を静かに見守ってます。
アヤちゃん
『美味しい』
にっこりと僕を見て笑ってくれたアヤちゃん。
その時のなんとも言えない感動は
今でも鮮明に覚えています。
僕
『(よかった〜。こんな小さい子が食べたい物を食べれず我慢してたなんて)』
アヤちゃんは、あっという間にスイーツを平らげました。
その笑顔は僕の原動力となり、希望に変わりました。
少女のように、本気で生きてる人に突き刺さる、感動するスイーツを作ろう。
アレルギーや厳しい食事制限と戦う人でも食べれる、美味しいスイーツを作ろう。
もっとワクワクさせる事をやって、みんなを喜ばせたい‼️
スイーツに名前や性格をつけてスイーツ達が登場する物語が完成しました!